デュラララ！！ 第20話 「黄天當立」 の感想

ダラーズである首なしライダーが日本刀を持った人物を助けた。
その事実に、ダラーズの中に斬り裂き魔がいるのではないかという疑惑を深めていく黄巾賊。
さらには、かつて黄巾賊と対立したブルースクウェアの残党がダラーズに紛れているのではないかと疑った正臣は、
真相を確かめるため門田達の元を訪ねる。

現実と虚構の狭間


正臣・・・もう行き詰まりすぎてますね　そして彼自身もそれを自覚してしまっていて
だからそのしょうがなさやどうしようもなさにも拍車をかけてしまっている・・・
ドタチンたちにダラーズのリーダーを聞くため接触をはかった正臣
黄巾族のリーダーという立場の上で話し出す正臣ですが次第に彼の私怨が露呈してきます
切り裂き魔を、それと繋がるであろうダラーズを潰すことは黄巾族の総意なのか・・・
視聴者として、杏里がピックアップされた切り裂き魔編を見ているのだから
黄巾族自体が切り裂き魔やダラーズに恨みを持つ原因はないと感じてしまいます
杏里が中心にいた分、当たり前のようにもう無関係には見えませんからね
そこからの私怨・・・正臣は特に何の関係もないと思っている杏里が巻き込まれたことが許せないようです


ただそれだけの繋がりのなさ、杏里にエロっ子というただそれだけの記号を付けて見てきたが故の日常の瓦解
彼は見かけ日常を楽しみながらも、謳歌しながらも、大切に思いながらも
どこかそれを細かく見ようとせず一つの世界として、居場所としてみる傾向にあったように今では感じます　
杏里と帝がいて・・・そして微笑ましい三角関係、いや二角関係があっての日常だと・・・
一つの世界、過去に区切りを付けたと思われていた正臣は無自覚にも
世界を端的に、大きく見てしまっていたのかもしれないですな
だから綻びが出始める黄巾族の組織形態
彼らは正臣がいない間に歪み、形を変えてしまっていた・・・
正臣は黄巾族を変わらない自分の居場所としていましたが
彼が中途半端にその黄巾族や過去と一度区切りを付けたせいで
彼の中の黄巾族と今の黄巾族はあまりにも違う物になってしまっていたんですな


狩沢と遊馬崎の言葉も効いてきますなぁ～

狩沢「世界は虚構だってエラい人が言った。たぶん言ったはず。言ってなくても似たような言葉は、誰かが言ってるに違いない」

遊馬崎「世界は記号だって偉い人が言った。たぶん言ったはず。言ってなくても似たような言葉は、誰かが言ってるに違いない」

なんかデュラララらしい台詞ですなぁ～　話し言葉といいかげんさがたまらないｗ
この台詞通りこの世は記号や虚構、空想などで溢れかえっている
それは役職であったり、仕事であったり、立場であったり、はたまたあだ名であったり出席番号であったり
これを否定することはあまりにも無意味だし、否定するのならこの世から弾かれて然るべきだ
むしろこの記号や虚構は人が求め欲する物だし、これが多いほどに、濃いほどに恵まれているような気がしてくる
だが便利なのか何なのか、この記号や虚構は急にあまりにも軽くなったり、簡単に捨てることも出来る
世の中には記号が溢れかえっていて、いつでも求めれば得ることが出来るのだから
20年あまりしか生きていない管理人の狭い見識内ならこの世はそうできているように感じる
必要な物だけ手元に置いて、不必要な物は排除する・・・この考えはまさに記号や虚構に顕著だ
そうやって人間は生きていくんだと思うし、そうでなければ息苦しくてならない


だが過去の黄巾族という記号や虚構に今でもすがって、それを理由にして行動してしまう正臣
これは全く持って卑怯とかではなく、ただ単に彼がとても人恋しく、寂しがり屋で、優しいからでしょう
捨てたはずの過去に足を掴まれ引き摺りながらも彼は今を誰より懸命に生きて考えている
要は抱え込み過ぎてしまっている・・・捨てるのではなく背負い続けてしまっている
そして背負い続けた記号や虚構がうまい具合に現実と摩擦し始めてしまっている・・・
だがそれほどに彼は過去も今も未来も自分の居場所としたい・・・傲慢に見えるがとても当たり前の感情ですな
故にダラーズのように無色ではなく彼は黄巾族となった・・・
それがどんなに歪んだ物でも明確な色がほしかったんでしょう　目に見える物でなければ不安だったのかも
だが記号や虚構という物は、目に見えてもそれに中身が伴わなければ、維持するために努力を怠っては意味がない


それと正臣と帝の違い、裏の顔となったときの豹変ぶりは帝の方が段違いに大きい
それほどに今までの帝は自らの無色という色を使いこなしている
だからか正臣から見ればそれは言葉通り希薄に、薄情に見えるのかもしれませんね


まぁどっちが正しいか正しくないかなんていう討論はあまりに意味がないですね＾＾
正臣は三人組の中ではきっともっとも人間らしいし、現実的だ　
だからか、こう考えていくと今のこのウザヤくんの上で踊らされている現状も
一概に悪いことばかりではないのかなと＾＾；
確かに今の状況や流れは視聴者としてもそれはもうむず痒くてイヤな物かもしれませんが
この件を乗り越えたときどうこの3人が成長するのかというのはさらに楽しみになってくる＾＾
これはこの作品の陰の醍醐味ではないかと最近感じますね
巧みすぎる群像劇、軽快ながらもで緊張感のある会話劇に目が行きがちだが
2クールかけてこの3人がどう成長したのか、という物で最後を飾ってほしいかもですな＾＾




まぁいくら一概には悪くないといっても
ウザヤくんがまさかダラーズのリーダーをあんなにあっさりと明かすとは思ってませんでしたがね＾＾；
このときの正臣のショックは計り知れないでしょうなぁ・・・
そしてベタに二人が対面したときに明かすのではなく、あっさりと明かすところが何とも粋だ＾＾
面白いところはウザヤ君は今まで正臣に嘘をついたことがない、という事実でしょう
煽ってるのは火を見るより明らかだが内容は事実だ
そこまでの過程に至るまでにはウザヤの介入ももちろん重要だったろうが
たかだかよく回る口と情報屋というスキルを使っての携帯や情報などの電子上の操作だけで
ここまで物語を、作品を掻き回せるのは彼ぐらいだろうｗ　ウザヤ君うざいよウザヤ君ｗｗ




てことで爆発寸前な20話でした

次回はやっと帝が中心に持ってこられるようで・・・ダラーズの大きさを実感するんでしょうかね
あのような組織形態こそ無色という記号がが引き立たなければならない
そのためもしそのような組織に真のリーダーがいるのだとしたら彼は自分を限りなく捨てなければならない
その狭間でしょうか・・・帝がどう動くか注目ですな

ではのし




余談

割と大学内でも頭回る物だねｗ

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