舞台は1999年、長野県松代にある日本のピラミッド“皆神山”にそびえたつ私立ヴァルトシュタイン学院。何かに引きつけられるかのように次々とオカルト現象が起こっていたため、学院は「オカルト学院」と呼ばれていた。学長はオカルト研究に人生をかけており、生徒たちも日々学業と研究に励んでいた。学長の娘・神代マヤはオカルト嫌いだったが、父が亡くなったことで学院を訪れることに。そこでマヤは2012年から来た自称タイムエージェントの内田文明と出会う。学院内で怪奇現象と遭遇していくうち、文明がタイムスリップしてきた真相が徐々に明らかになっていく。
原作・制作:A-1 Pictures/監督:伊藤智彦/シリーズ構成:水上清資キャラクター原案:麻生我等/キャラクターデザイン・総作画監督:千葉崇洋/美術監督:竹田悠介/美術設定:末武康光/プロップデザイン:柴山智隆/色彩設計:茂木孝浩/撮影監督:尾崎隆晴/編集:西山茂/音楽:Elements Garden/音響監督:たなかかずや/制作協力:XEBEC/企画協力:北久保弘之/製作:アニプレックス・テレビ東京
1999年7の月、空から恐怖の大王が舞い降りる――。ノストラダムスの予言を巡る戦いが終わり、学院は平和を取り戻した。使命を果たした文明は、退職の挨拶をした後、2012年の未来へ帰ることを決める。そこへ、市内のホテルに宿泊している彼の母から連絡が入る。終業式で、ブンメー君の講演会が開かれるというのだ。しかし当時、学院へ来た覚えは無い――疑問に思った文明は未来に通信を入れ、恐るべき真実を明かされる…。
最終回 いやぁまず冒頭で脳直な感想を書かせて頂きますと
久しぶりにオリジナル作品でここまで澄み切ったものを見たような気がしますね・・・ トンデモ展開を踏まえてなおこのスッキリ感 いやはや圧巻だ・・・
まぁ詳細な感想は以下から
前回で無事破壊できたと思われていたノストラダムスの鍵の一端はなんと文明だったわけで・・・
未来と過去の文明が出会うことで空間が情報を処理しきれなくなり 次元の歪みを起こし、その結果ノストラダムスの大予言が成就されるというわけですか 文明が鍵であることはあの写メでもちろん予想していましたがここでしょた明を絡めてきますか・・・
この最終回に来てある種超展開なわけだがなんとも盲点だった、でも変に納得の良く展開ですね^^;
加えておちゃらけて簡単なように見えていた未来の文明の
今時代へのタイムスリップには様々な障害をはらんでいたということですね
よくよく考えれば確かに文明は描かれてきた以上に未来の膨大な情報量を孕んだ大きな存在だ うまくUMAや魔女やらに隠れていましたが彼以上のオカルトはなかったかもしれないんですよね
あの魔王バリの盛大な天からの登場は一種の伏線だったということか・・・
そしてこの展開を創り出したのはあろうことかマヤのパパンだったわけで^^;
教頭によって墨田区の地でヒッソリ暮らしていたパパンは
そのノストラダムスの鍵は自分が出て行った後に学院内に混入したものだと考え その時点にエージェントを送り続けた・・・まぁその行動自体に非はありませんよね^^; あろうことか一エージェントの同位体の衝突が時空を歪めそれが宇宙人を招くなんて考えられないと思う
でもギリギリだがここまで原因が判明したとあらば回避は至極簡単
今すぐにでも文明を未来に返してしまえば事は済む
だがそうは問屋が卸さないわけで・・・文明はどうしても母親に会いたいというのだ 実際会ってみると、当たり前のように当時のまんまの母親にちょっと怒鳴られただけときた
さてさて文明がここまで来てそこまでこの金しか考えてないような母親にこだわった理由とはなんなのか
まぁここは親子の絆としか言いようがないのかな・・・と思ったら最後まで見てみるとそうではなかったですね
文明の舞台衣装を温かい表情で仕立てる母親が胸ポケットに潜ませたそのスプーン・・・これは後述に繋げます
まぁこの無理矢理な親子の再会はマヤの一種のワガママでもあるのかなと思ったり 彼女はどうしても文明にこの次元に留まって欲しいようでしたからね・・・・
何とかして文明の時間を少しでも伸ばしたかったのでしょうな・・・・
そして二人の文明の対面・・・
上空には紋が浮かびその歪みから宇宙生命体が数えられないほど投下されてきます
まぁこの二人の対面は何が原因であれ今までも会わなくとも未来の世界は変わらないので
言ってしまうとこの対面は決定づけられたものですよね ノストラダムスの大予言は起こるべくして起こった
だが大事なのはこの起きてしまったノストラダムスの大予言を目の前に
一世を風靡した超能力者、文明がどんな答を体現するか、信じきることが出来るかってことだったと感じます 一人で来たのかい? 自分の足で・・・ そうか ならそれでいい これからも自分の足で歩め 誰よりも真っ先に勇敢に宇宙生命体に突っ込んでいく幼文明 だが途端に吹き飛ばされてしまう・・・
駆け寄った文明は気を失った幼文明の胸にスプーンがあることに気付きそれを手にする
歴史が変わるのはここからだ! スプーンを掲げて特攻する文明!! なんとそのスプーンで宇宙生命体の攻撃を耐え
いつかのスプーンとともに大量にいた宇宙生命体を全て曲げやがった!!
まぁ一見魔女に匹敵するほどのトンデモ展開トンデモ映像ですよねw まさかあれほどのポテンシャルを秘めていたとは・・・さすが一世を風靡しただけはあるわ
だがそれと同時に今作の全てが集約されているようなとんでもなく濃密な流れだったように感じます
キーアイテムはやはりその母の様々な思いの詰まったスプーンでしょう
幼文明は自分の力を信じていたが決して母が託したそのスプーンを使うことはなかった
いやさその胸にあるスプーンとその意味に気づけなかったんじゃないかな
だがその末地面に倒れた過去の自分を見て文明は過去の自分の至らなさとそのスプーン本当の意味に気づく
今まで執拗に嫌ってきたそのスプーンには自分を、オカルトを信じろという母の思いが託されていたと思うんです 確かにこの時の母は金に目がくらんでいたのかもしれないしこの捉え方はあまりにも都合が良すぎるかもしれない
だが根底にはどうしようもないほどの息子を大事に想う気持ちがあったのは確かだと思うし
その思いがあることに視聴者は特に抵抗がないんじゃないかな 親子なのだからね
そしてその気持ちに何となくかもしれないが文明は時を越えて気付けたんでしょうな・・・
自分を縛り付けまるで金蔓のように扱った母をひたすらに疎んでた幼文明からこれは確実に成長したと思います
彼は最後の最後で自分と自分に託された思いを自分から信じることが出来た だからのあの力ですよね 最後を飾るように流れたBGMのOPも真っ直ぐ文明を後押ししていた 興奮したなぁ・・・
結果彼と幼い彼、そしてこの世界はスプーンと共にオカルトから解き放たれます
大事なものは再び目に見えないものとなったんですね・・・なんて濃密で意味の深いラストだよ・・・
マヤへの俺を頼んだぞ! という遺言もまた粋だ 最後まで力強いヘタレでしたな・・・ 文明の奮闘により宇宙人は消滅 従ってパパンのいる2012年は平和な世界に変革します
でもまさか本当にちゃんと元通りになるとは思わなかったw スカイタワーあったぞw まぁここまで来てドラゴンボールのように違う時間軸だったら後味が悪いですしね^^;
でもここまで急激に変革したらすぐには順応できないよなぁ・・・
そんな戸惑いを隠せないパパンのもとになにとなしにマヤから電話が
まさかの姉さん女房ENDw あれから13年だからマヤは30歳、幼文明は23歳といったところか・・・
いやでもマヤは年を重ねるほどに美人になっていくタイプだろうからどう考えても羨ましいな^^;
まぁその歳にももちろん限度はあるでしょうがね・・・w
ラストは内田家食卓のカレーとスプーンで締め 母の愛から始まり紆余曲折を繰り返したスプーンが最期はマヤとの未来へ繋がるか・・・
ベタだがこういうのってなんだかとてもイイな・・・
てことでオカルト学院最終回でした いやはやオリジナルの1クール作品としては近年でもまれに見る良作でした 最初はネタが突拍子もなさすぎて若干抵抗はありましたが最後まで見て本当によかった
まさかここまでスッキリ晴れやかな結末を迎えられるとは・・・
観終わったあとの余韻がここまで気持ちのいい作品はそうありませんな
後半はいい加減本筋に戻らなくていいのかと段々不安になってたんですが
ラスト3話だけの隔絶された物語でこうも全体をうまく締められるとは圧巻です ホントすごい オカルトやらタイムワープやら議論が絶えない要素がふんだんに盛り込まれていたので
多少の粗や歪ももちろんあったかと思いますが、同時にトンデモナ映像と演出で上手くカバーしていたと思います
主要キャラも数を抑えながらも多方面からの魅力に富んでたので突飛な展開や演出にも耐えながら上手く映えてた
そしてマヤと文明のダブル主人公の描き分け・・・最期にはどちらも主人公として並び立っていましたね^^ 姉さん女房ENDといって羨んでましたがこの二人の未来ほど清々しく平和な結末はなかったでしょうな
あとこれを言うのはいかがなものかとも思うんですが
アニメノチカラというていが初めてプラスに働いた作品かもしれませんな^^;
今までなんだかんだで堅苦しいテーマが多かったアニメノチカラ だが今作はギャグ要素も多分に盛り込まれていた
それはギャップにもなるしアニメノチカラ集大成を飾るにはとてもシックリきていた やっぱ最期はバラエティに富まないとね
真面目にも不真面目にもどちらにも真剣になれる・・・ とにかくオカルトというテーマが作った幅の広い土台が全編に渡ってとても心地良かったです
最期に
スタッフ、キャストの皆様 1クールの間本当にお疲れ様でした&楽しい時間をありがとうございました!! トンデモオカルトとしても人間ドラマとしても到底1クールでは味わえないような濃密な時間を過ごさせて頂きました また機会があれば是非・・・アニメノチカラ枠は消滅だけども^^; ではノシ
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